俺たち工務店ズ HOUSE MAKING LIBRARY

how to use your estate 資産価値としてのマンション活用のしかた
売却?賃貸?子供に住んでもらう?

ワーママのおうちレポート05

皆さまこんにちわ、ユウコです。

さて、今回見せていただく家は、ワーママレポートでは初めて!マンションリノベーションのレポです。
私もマンション住まいなので、お話を頂いたときから、とっても楽しみにしてました♪

シナ材をふんだんに使ったリビング

施主さまご夫婦は、30年ほど前にこちらのマンションに3年ほど住んでいましたが、
その後移られることになり、このマンションを賃貸に出されました。
そして約25年後入居者が出て行き、売却するか賃貸にだすかを悩まれたのが、今回のリノベーションのきっかけでした。
60代というご年齢や、管理の手間など色々な面から考えて、 どのような選択肢がよいのかをいろいろ悩んだ結果、 賃貸にも出せて、いずれ息子さんのご家族も住めるような フレキシブルなリノベーションという結論になったそうです。

今回のお家は「自分が住むわけではない」ということがポイント。
家作り=自分と家族の理想の家づくりというイメージしかなかったので、
今までこんな目線で家づくりを考えたことがなかったのでおもしろい!

家=不動産として、資産の有効活用という考え方もあるんだな〜。
たしかに、人生これから先何が起こるかわからないし、もしかして宝くじに当たって家を建てることもあるかもだし(笑)
相続で不動産を引き継ぐときも同じ考え方ができそう。
うんうん、勉強になります!

さて、それでは室内を見てみましょう~

木目のあたたかみとスッキリさのバランス
木(シナ材)がふんだんに使われてあたたかみのあるリビング

リビングは、木がふんだんに使われていてあたたかみのある雰囲気なのに、なんだかシャープな印象。
前にお邪魔したお家と同じで、木目のラインが揃ってるからかな。
キッチンカウンターとクローゼット、リビングドアのフチ無しの木目が並ぶとほんとにキレイで、 角がぴしっと合っているのも素敵。大工さんの職人技ですね。

角がぴっしり揃っている

こういうディテールの美しい仕上げの積み重ねが、あたたかみがありつつスッキリとしたスタイリッシュな感じの絶妙なバランスを作っているのかな。

リビングの一部になるクローゼット&収納と上部の収納棚
次に目に止まったのが、大きな大きなクローゼット。

大きなクローゼット

中には衣類をかけれるポールに、物を置ける中板があってレイアウトの自由度高し!
シンプルな照明もついていて、中板がちょうど机のサイズ感なので全開するとリビングの部屋としても使えそう。 こういう使い勝手の幅がある作りって、暮らし方が変わったときにも重宝しそうだし、何と言っても賃貸にぴったり。

上部の収納棚は照明が入っていて、一方は飾り棚として、もう一方は扉がある完全に見えない収納。
飾り棚には背が低めの本や小物、植物を足すのも良さそうだな~。
リビングってオシャレにもしたいけど、生活時間も長い=置いておきたいものも多いから見せる収納と隠せる収納のどちらもある空間は嬉しい。この作りいいなあ。

キッチンからリビングを見る

キッチンからはリビング全体見えます。 個人的には上の飾り棚からチラリとグリーンを垂らしたい。

カウンター天板

カウンター天板の、木の組み合わさった模様もいい感じ。
集成材(一枚板より安い、木を集めて作った木材)の柄をそのままデザインとして使ったとのこと。デザインも良くてコスパも良いなんて!

ここに住む人がどう使うか選べるような配慮を感じる
キッチン

キッチン背面の収納棚は、なんと!建築家の胡さんのDIY。
他のところと同じく、シナ材を使った天井までの棚は、持ち手がなくても開け閉めできるように設計されてて、写真のようにフルフラットな仕上げ。
「木目を活かす」という胡さんのこのリノベへのこだわりを感じました。

キッチン台の背面の棚は、作業台としてちょうどよい広さで、レンジやトースター・ポットを置くもよし、と自由度がある。

写真左:飾り棚、写真右:炊飯器を置く棚

写真左:キッチン換気扇の上がパット見はわからないんだけど少しせり出ていて、飾り棚のようになっている。 飾ってもいいし飾らなくても良い、どちらでもよいような丁度良い気遣いがうれしい。
写真右:キッチン奥の収納棚、炊飯器も置ける

シナ材を使った気持ちのよいリビング

マンションの一階ってどんな感じ?
ちなみに、こちらの物件はマンションの一階。
なんとなく一階は気になるから今まで私は避けてきたけど、こちらのマンションは幅が広めのベランダの向こうに専用庭、そして道路との壁となっているので、距離があるから一階でも安心感がある。
そして、マンション暮らしなのに庭があるっていいなあ。ちょっとした戸建感覚みたいな?
子供がいると、公園まで行くのはちょっと・・・という時に、少しでも庭に出て遊べると気分転換できたり、 あとは個人的に少しでいいから家庭菜園で、ハーブやミニトマトとか植えてみたい♪
一階って一般的にはどうなのかな? と気になって調べてみた。

マンション一階ってどんな感じ?

ー以下引用になりますー
マンション一階のメリット・デメリット
<メリット>
・専用庭があることが多い(子供遊び場ー砂場やビニールプールとか、家庭菜園、ガーデニング)
・リビング→バルコニー→庭と続くことで、空間を広々と感じられる
・外にすぐ行ける、階段を使ったり、エレベータを待つ必要がない。(災害時に避難しやすい)
・下の階に音が響くのを気にしなくてよい。

<デメリット>
・プライバシーの問題(外から見えやすい、カーテンを開けにくい)
・泥棒が上層階とくらべて入りやすい(防犯面)
・上層階と比べて日当たりが悪い場合が多い、地面から冷気が上がってくるので冬の暖房が効きにくい。

一階は上層階や中層階と比べて、メリットもデメリットも多い、特徴のあるフロア。しかし、デメリットと感じられる点も物件によっては配慮がされていることも。
この物件のように、立地条件によっては、1階でも日当たりが良かったり、フェンスや壁、植栽によって目隠しがされて外部からの視線を気にせず暮らせるように配慮されていたり。
自分たちのライフスタイルや価値観も考えて、選択をするのが大切なのかな~。

シナ材の特徴は

ここで多く使われているシナ材の特徴は?
話は戻ってー、
ここで使われているシナ材なんだけど、表面がなめらかでとてもきれいな木。
シンプルだけど表情もあって。聞くとコスパ的にも優れているらしくそこも良い点!

<シナ材とは>
シナは木質が緻密で木肌がなめらかなため、ラワンに比べて吸い込みが少なく、塗装を美しく仕上げることができます。
淡い黄褐色(黄色っぽい茶色)ー黄白色(クリーム色)の色調のため、塗料の着色性もよい。
木肌がきめ細かく表面仕上がりは良好な材質。

リビングの建具や壁、床、他の部分もチェック!
壁にぴったり収まるリビングのドア

開くとぴったりと収まるリビングのドア。まるで壁の一部のよう。

美しいドアノブと建具の持ち手

写真左:シンプルで美しいドアノブ。
写真右:こちらもシンプル&美しい建具の持ち手部分

他のお部屋のリフォームは、既存をうまく活かしている
寝室
他のお部屋は、基本的に既存を活かしてうまくコストを抑えた床や壁紙のリフォーム。

賃貸のつもりだったけど・・・ 貸したくなくなってしまいました!
今回のリノベーションを見ていく過程で、施主さんはここを人に貸したくなくなってしまいました。
さらに完成間際になったころ、息子さんご家族も数年のうちにこちらに住むような感じになったそう。
それわかる気がするなあ!
プロの手により、進化してステキになっていくお部屋を見ていると愛着もわいてくるもの。
結局、こちらの一室は、当面は家族やお友達との交流の場として使ったり、ウィークリーマンションのように短期民泊とし て貸すということを今では考えられているそうです。
色々なシーンで様々な使われ方をされていくのって、なんだかステキだし楽しみですね^^

今回見せてもらって、家って資産なんだなあと私にとっては新しい考え方で勉強になりました。
そして、フレキシブルな使い方を可能にして資産価値を高めた今回のリノベーション、本当に大成功ですよね!
見せていただき、また貴重なお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。

■リノベーション物件概要

ご住所: 福岡県福岡市東区
竣工年月: 2017 年 5 月
延床面積: 約 70 平米(バルコニーと専用庭のぞく)
設計: 胡実建築設計事務所
施工: 辰巳工務店

私的 家づくりメモ

  • 家=自分が住む以外の考え方について(賃貸・民泊・家族になど資産価値としての利用)
  • 部屋の中のラインを合わせることですっきり広く見える。
  • 仕上げの美しさが大事、その積み重ねが完成度の高さや全体的な雰囲気をつくる。
  • 木目の感じや雰囲気がよく、コスパにも優れたシナ材について
  • マンションの一階に住むメリットとデメリット