俺たち工務店ズ HOUSE MAKING LIBRARY

New renovation living in two units of the apartment マンション2戸を住まいとする
新しいフルリノベーション

ワーママのおうちレポート26

みなさん、こんにちは。ユウコです。

今回は、福岡市南区、平尾駅から徒歩5分圏内にある築40年以上の古いマンションを2戸購入して、
それぞれ、フルスケルトン→リノベーションしたお話です。

50平米と25平米=合わせて75平米に暮らすことになった経緯
さっそく、気になる経緯から聞いていきましょう。

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【前提や希望条件】
・40代ご夫妻と保育園のお子様ひとりのご家族
・旦那さまの鴛海さんは建築家(今回は施主兼設計者)ご自宅でお仕事されるので仕事部屋は必須
・奥さまは会社勤めで電車通勤
・西鉄大牟田線、平尾駅周辺を希望(今までと同じエリアをご希望)
・できたら75平米ほど欲しい
・予算〜2500万くらいまで
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旦那さまは、駅から多少離れてもいいかな?と思われていたそうですが、
通勤に電車を利用される奥さまは駅の近くをご希望。
平尾駅周辺は、福岡市内でも人気のエリアで、ご希望の広さだと中古マンションでも平均2,500〜3,000万はくだらない。
さらに駅まで徒歩圏内となると、更に値段は上がってくる。。
予算的に厳しいと思いながらも、不動産のNEWVILLAGEの新村さんにもしかしたらと聞いてみました。

「平尾駅まで歩いて行ける、75平米くらいで、これくらいの予算でないですよね・・?」
「○○マンションはどうですか」
「あそこは、50平米くらいしかないでしょう?」
「それなら2つ買えばいいんですよ!」
というお話に。
気になって売出し中の部屋を調べてもらったところ、なんと同じ階に2戸売りにでていました。
そして2つの部屋は、それぞれ50平米と25平米でした。

『 50平米+25平米=75平米 』
予想もしなかったアイデアでしたが、考えてみるとすべて希望通り!(駅近&予算&広さ)
建築家である施主さまは、すぐにピンときて、前向きに考えてみることにしたのです。

中古物件を購入する際にはローンにご注意
ただ、計画通りスムーズに・・・と行かないところもありました。
住宅ローンの審査で、物件が古いという理由で、当初、通常の35年ローンがNGになってしまいます。
ここであきらめずに、銀行の担当者に柔軟に対応してくれそうな他の保証会社をあたってもらった結果、なんとか35年でもOKな会社が見つかりました。

新築マンションと違って、中古物件は条件によりハードルが出てくることがあるので要注意です。
デザインと住心地のバランス
さて、いよいよマンションをスケルトン状態にしていきます。
今回の設計は、施主の旦那さまご本人(鴛海達矢建築設計事務所)です。

【1戸目:50平米のリノベ基本コンセプト】
・むき出しのコンクリートがいい雰囲気なので、それをデザイン的に生かしたい。
・古さや味のある感じを生かした素材選びを。色味やニュアンスがある配色や柄を合わせる方向性で。
・快適に過ごすために、窓側壁の断熱材+内窓のような障子で空気の層をつくり、断熱対策を。
・窓の前に隣地のマンションがあるので、最初からカーテンを開けずに生活するのを想定。
・空間をゆるやかに仕切り、フレキシブルな使い方を。

コンセプトの「素材を生かし、ラフなデザイン、それでいてカッコよく」というところで、施工にキャスティングされたのが、飯尾建設の大沼さんです。新築注文住宅、中古物件リノベから店舗まで幅広く、お客様のアイデアを生かし、相談しながら形にするのが得意な工務店さんです。過去にも面白い施工事例あり。


まずは50平米のLDK&寝室。こちらの部屋は南向きで、日当たりがよく明るくて、冬は暖かい。
逆に夏は、暑くて、光が強く眩しい。
よって、エアコンの熱を逃さないための断熱と、光量コントロールを兼ねて、断熱壁と内窓のような障子を設置されました。


模様の入った和紙のシェードのような雰囲気。やわらかな光が綺麗です。
この障子の紙のところ、実際は樹脂製で、小さなお子様が指で穴をあけてしまうこともないそうです。
窓が照明のように光るイメージで作られたこのサッシ、お部屋にぴったりとなじんで本当いい感じ◎

ちなみに、この夏はかなり猛暑でしたが、冷房を寝る前に切っても、朝起きたときは30度を超えずに快適に過ごせたそうで、断熱効果をかなり実感できたようです。

戸建ては家全体の断熱が必要ですが、マンションは、角部屋や最上階、一階でないかぎり、窓側を断熱するだけでこんなに快適に過ごせるんですね。
これは、マンションリノベで是非とも抑えておきたいポイントです。


リビングと寝室を仕切るこのクローゼットは、可動式。
2部屋の広さの割合も変えれるし、小さめの3部屋にすることも可能です。


4メートルのキッチンは、モルタルクリア塗装仕上げで、かっこいい。

マンションの共用廊下を抜けて仕事場へ
50平米の部屋は家族との生活のくつろぎスペース。そして、マンションの共用廊下を通って、たった十数メートルで仕事部屋へ。このマンションは内廊下なので、まるで部屋を移動しているかのような不思議な感覚です。まるで「離れ」のよう。

【2戸目:25平米のリノベ基本コンセプト】
・こちらは1戸目と逆で、北向きの部屋。一日中ゆるく明るい光が入り、デスクワーク環境として最適。
・窓から目隠しのような位置に木があるので、カーテン無しで過ごせる気持ちの良い空間を目指す。
・柱と梁、一面の本棚で、空間をゆるやかに仕切る。
・白ベースの、プレーンなイメージで。


以前は自宅マンションの一室を、お仕事部屋として使われていました。
通勤がなくて便利な反面、仕事とプライベートの切り替えが難しかったり、
お客様との打ち合わせの際に生活空間も通るので、気を使わせてしまったりといった悩みがあったそう。


こちらに移られてからは、独立した仕事部屋なので、とても快適に集中してお仕事ができるように。
もちろん、打ち合わせの際にも、安心してお客様をお迎えできるようになりました。

また、十数メートルの移動途中で、住民の方と挨拶やちょっとした立ち話でコミュニケーションできたり、仕事モードへ頭の切り替えもできるそうです。
お話ぶりから、今のこの生活スタイルを楽しんでらっしゃる様子が伝わってきました。

中古マンション検討の際に、気にしておきたいマンションの管理状態
施主さまがこちらのマンションを購入される際に、かなり古い物件にもかかわらず、マンションの管理状態がとても良いことも決め手の一つになりました。

中古マンションは、何といっても立地、駅に近いことが大切!と今まで思っていた私。
それももちろん価値だけど、それと同じくらい”管理状態”が大切です。

マンション外構からエントランス、掲示板、廊下や階段などの共用部をよく見て、掃除は行き届いているか、躯体のいたみが少ないか、全体的に大事に住まわれている雰囲気を感じるか、など。
また、管理組合はしっかりしているか、管理人さんが住民のことをある程度把握しているかも、安心できるポイントだと思います。

こちらのマンションの共用部は、キレイにきちんと管理されており、さらに今年大規模修繕が終わったばかりだったため、エントランスや共用部も明るい雰囲気でした。

『住職近接』の快適な住まい
「マンション2戸を住まいとする」ことに、最初はちょっと驚きましたが、のぞいてみると、むしろ最初から二部屋探してましたか?(笑)と思うくらい、施主さまの生活にフィットしていると感じました。

「条件が厳しい」「なかなか良い物件がない」と感じるときに、既成概念から一回離れてみて暮らし方に目線を向けることで、今回のように思いがけない発見があるかもしれませんね。

ちなみにこちらの住宅、2020年の住まいのリフォームコンクールで入賞されたそうです。

不動産のNEWVILLEGEさん、考えを発展させ設計した施主兼設計者の鴛海さん、かつてない住まいづくりに寄り添い作り上げた飯尾建設の大沼さん、3者あってこその住まいづくりだったのではないでしょうか。

あたらしい考え方を見せていただき、どうもありがとうございました。

■建物概要
ご住所:福岡市
竣工年月:2019年7月
設計:鴛海達矢建築設計事務所
施工:飯尾建設
写真撮影:針金洋介(針金建築写真事務所
※内窓アップカット、マンション内廊下、マンションエントランス写真の3枚は俺たち工務店ズ運営側が撮影しました。

私的 家づくりメモ

  • マンション2戸をひとつの住まいとする、新しい考え方
  • マンションリノベは、快適性アップのために窓際の断熱が重要
  • 中古マンション購入時は、共用部などの管理状態を見る。管理=マンションの価値そのもの